うるさい素人

質を重んじ物事の本質を見抜く! 脱サラして英語発音講師を目指すオヤジのブログ

英語の発音をしっかり身につける場合に気をつけたいこと

私が11歳で初めて英語を習った時の先生(日本人)が、すごく明瞭な発音をする先生だったので、私には「英語の発音はしっかりするものだ」という意識があります。あれから45年以上経った今でも、その時に習った発音は身体で覚えています。

そんな私としては、「短期間でできる流暢な発音」よりも、「時間がかかっても明瞭な発音」をすることをおすすめしたいです。

 

でも、明瞭な発音をしようとすると、様々な困難に当たってしまうんですよね。明瞭と流暢が両立しないんですよ。でも、頑張って続けた方が良い。

 

そこで今回は、明瞭な英語発音をしっかりと身につけようと練習する場合に、注意した方が良い点について書いていきます

 

私のおすすめとして、以下2つを気をつけると良いと思います。

  1. 「英語っぽくしよう」という飾りを、一切取り除く。
  2.  迷うことなく、今、自分ができる限りで、自信たっぷりに発音する。

実はこれ、かなり厳しい条件なんです。

「歌を歌う」時にたとえるなら、伴奏なし、リバーブ(いわゆるエコー)なしで、音程を探しに行くような歌い方をすることなく、大きな声で堂々と歌いなさい、という感じでしょうか。

 

1. の「飾り」については、「英語っぽくしよう」という意識がどうしても働いてしまうんですよね。これはもう、人情です。

特に、「全体が “巻き舌” になってしまう」人が多いようなんですが、ほとんどの場合、残念ながら、効果がないどころか、逆に正しい発音から遠くなってしまっています。

この「飾り」は、自分で始めたことなんだから、やめられるはずのことなんですが、癖になってしまうと、取るのが非常に難しくなってしまいます。

 

2. の「自信たっぷり」については、相当な練習量の裏付けが必要だと思います。

スポーツでいう「素振り1000回」みたいな世界で、1度に1000回もやる必要はないのですが、とにかく回数によって身体に覚え込ませないと、突然「ドン」と自分のフォームを出すことはできないんですよね。

ここで言っているのは、「恐る恐る」ではなく「ドン」と行きましょう、ということであって、何も最初から「正しい発音」をせよ、と言っている訳ではありません。というか、無理ですよね。

別にネイティブ発音に似ていなくたって、いいんです。カタカナ発音からネイティブ発音に向かう道のりの途中にあれば。


この 2. については、英語の専門家でも、お手本を見せるのは、かなり厳しいことだと思います。そのぐらい難しいものなんだから、完全を目指さなくても良いんです。「できるだけ、恥ずかしがらず、口ごもらず、ハッキリ発音するよう頑張ろう」ということです。

 

では、この2つを意識して、単語や簡単な例文を言ってみようとすると、「え?どうやって発音したら良いかわからない」ということになる可能性が高いです。


悲しいかな、それが「素」の状態


仕方がないんですよ。英語の音は日本語よりもたくさんあって、日本人には相当厄介な音もあるんです。その音の出し方も知らないし練習もしていないんだから、最初からできるはずがない。
だから、カタカナに近い発音でも良いから、少しずつ近づけていけば良いんです。

 

ところで、「基本をやっていないのに飾ろうとする」という意識は、どこから来ているんでしょう

間違いなく、心理的なものですよね。

 

そもそも、「英語っぽく発音したい」のは、どうしてか? 「誰にそう思われたいのか?」ということですよね。おそらく、相手は日本人。「すごいね」とか「わぁ、すごい、ネイティブみたーい!」って評価されたいんだと思います。

 

でも、英語は言葉なので、伝えることが目的です。原則として日本人に対して使うものではありませんよね。また、一般的にはアメリカ英語を習いますが、世界で英語を使うのはアメリカ人に限ったことではありません。「英語を使う世界中の人に正しく伝わる英語を話せるようになる」というのが本来の目的ではないでしょうか。

 

そういう実用的な発音って、意外と、日本人が「英語っぽい」と思っている発音とは異なるものかも知れませんよ。

 

厳しいことを言うと、「世界中の人に正しく伝わるけど、カッコ良くない発音」が良いか、「日本人にスゴーイ!って言ってもらえるけど、イマイチ通じない発音」が良いか、ということです。

 

とはいえ、かたく考える必要はありません。ちょっとでも、このようなことに思いを巡らせ、自分の目指したいことに対して、自分の努力の方向性が違っていないか、見つめ直してみるのが良いと思います。

 

しっかりとした練習をしていけば、お手本との違いがはっきりわかってきます。その違いをどうやって修正するかというテクニックを少し覚えて練習すれば、必ず目標に近づいていくはずなんです。

 

正直、納得いく発音ができるまでには何年もかかってしまうと思いますが、しっかりしたことを継続すれば、いずれ、「その差歴然」ということになるはずです。

 

「友達に “ネイティブみたーい!” と言ってもらえる発音」を目指すのではなく、「世界中の英語話者に “一発で通じる” 発音」を目指してみてはいかがでしょうか。