うるさい素人

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英語発音練習で、悪い癖をつけないために

英語の発音を練習する際、先を急いでしまうと、うまくいかないばかりか、悪い癖がついてしまう恐れがあります。

今回は、私の体験から、「練習において気をつけた方が良いと思うこと」を2点、紹介します。

 

<目次>

 

この記事を書こうと思った背景

「発音の方法を言葉で説明する」というのは、とても難しいことです。よって、私は、このブログでは、「具体的な発音技術のことはあまり書かない」つもりでいました。

 

ところが、比較的シンプルな問題で困っておられる方がいらっしゃるようで、「基本的なことならブログに書けないか」と思うようになりました。そこで、一部の発音(似ている発音の違いなど)については、今後、少し書こうかと考えています。

 

ところが、一方的な説明だと、こちらの意図しない発音が癖になってしまう恐れがあり、とても心配です。

 

そこで、まずは、「心得」みたいなことを書いておきたいと思いました。

 

基本的な心得は、「時間がかかるものだと考えて、急がないこと」です。2つのポイントについて説明します。

 

無理に英語らしくしようとしない

1つ目は、「無理に英語らしくしようとしない」ことです。

 

専門家の間でも、いろいろなご意見があると思いますが、一応、長年、好きで発音をやってきた私としては、「相当な時間をかけて練習しないと、日本人には出せない音がある」と考えています。

 

逆に言うと、時間をかければできるはずなんです。しかし、焦って「英語っぽくしよう」とすると、目指す方向とは違う音になって、それが癖になってしまう恐れがあります。

 

英語発音練習時の注意(1) 目標への方向から外れないようにする

上の図を簡単に説明します。

 

カタカナ発音からスタートし、究極の目標であるネイティブ発音を目指します。

ところが、日本人が普通に発音できる音の範囲(赤枠)を超えてしまっていて、「どうしたら良いかまったくわからない」という事態に陥りがちなんです。

 

そこで、やってしまいがちなのが、「それっぽく」しようと、違った方向に「味付け」をしてしまうことなんですよね。そうすると、癖がついてしまって、なかなか取れなくなってしまうと思います。

癖がついた位置からの修復は困難で、「癖を取って、スタート地点に戻ってやり直し」ということになりかねないんですよ。

 

そこで、おすすめなのは、「英語らしくしたい」という気持ちを、一旦、ぐっと抑えて、「日本人が無理なく発音できるギリギリのところを当面の目標とする」ことです。

赤枠の中だけでも、通じる発音は十分できるはずなんです。

 

そして、もっと上を目指したい場合、「赤枠の壁をどうやって超えるか」を考えれば良い訳です。とはいえ、単なる「意気込み」だけでは無理で、それなりの「戦略」が必要だと思いますよ。

 

基本的には、日本人が通常発音できる音から外した音を、遊び半分でも良いから出してみること。とにかく、枠からはみ出して、今までにない動きをしてみないことには始まりません。「ふざけて、おどけてみたりする」ようなことも、ある程度は必要です。

 

ただし、非常に大事なことですが、急にやるのは危険。口の周りを傷めてしまう恐れがあります(私は経験あり)。慎重に、ちょっとずつ、です。

 

今までの枠を超えた音が出せるようになったら、「どうやって目標に近づけていくか」という方法論になります。脳には、動作の誤差を修正する能力があるんですが、発音の場合、自分の状態を脳にフィードバックすることが難しいという問題もあって、一筋縄にはいかない、奥が深い問題なんです、

まずは、焦らず、「当面の目標」を磨くのが良いと思います。

 

目標に対して極端な発音をしない

2つ目は、「目標に対して極端な発音をしない」ことです。

 

英語発音練習時の注意(2) 「行き過ぎてから戻す」方法は避ける
(「小さい点」は、試行した場合の分布をイメージしています)

 

「反動をつける」というか、「少し極端にして、弱めればちょうど良くなる」と考えたくなるのは人情ですが、うまくいかない可能性が高いです。

悪い癖がつくばかりで、ちょうど良いところに中心を持ってくることは、かなり難しいはずです。

 

混同してはいけないのは、「大げさにする」ことは問題ないんです。むしろやった方が良い。ネイティブが大きな声を出すときとか、感情が高ぶって強く発音するときとか、そういうのは「実際にある音」(いわばフルスイングの動作)です。

私が問題だと言っているのは「存在しない音」を出して、刷り込ませてしまうことです。

 

まとめ

どちらにしても、「そもそも、最初から完成状態を狙うのには、無理がある」と言えます。

 

他の分野においては、普通のことだと思います。「大きな目標に向かって、手前に小さな目標を設定して、少しずつ進んでいく」― ごくごく当たり前のことなのに、英語のことになると、どうしても焦って、最初からゴールを見てしまう。

 

英語や英語発音の習得には「とてつもなく時間がかかるもの」ですが、どうしても「それが受け入れられない」というところがあるんだと思います。私もそうだったんですが、色々な人生経験で、悟ったようになってしまいました。

 

「時間がかかる」という割り切りが、究極の上達の秘訣だと思います。