昨日の記事「英語の「発音」と「英会話」は別物か?」を書いたあと、どうもスッキリしませんでした。何か説明が足りていませんね。
昨日は、「発音」と「英会話」の2つの切り口に焦点を当てましたが、本質的には「英語の能力の習得」という大きいテーマが大事な訳ですから、今日は、それについて触れてみようと思います。
ということで、「英語の能力そのもの」をベースに、「発音」と「英会話」を絡めて考えてみたんですが、けっこうややこしい。考えていると頭が混乱してきてしまいます。
そこで、私も英語学習者の1人ですから、学習者視点で、それぞれのパターンの気持ちになって、あれこれ思いをめぐらせてみました。
すると、ありきたりではありますが、「そもそも英語を勉強する動機や目的は何か」ということを整理しないといけない、というところに行き着きました。
そこで今回は、「まずは整理してみよう」という趣旨で書いていきます。
大人になってから英語を勉強する目的や動機には、いろいろな事情があります。
いろいろなまとめ方ができますが、今回は以下のようにしてみました。
- 昇進・昇格試験や転職などのため、一定のTOEICスコアなどが必要になった
- 海外出向等で現地で生活しなければならなくなった
- 英語を使った仕事をしなければならなくなった
- とにかく英会話ができるようになりたい
- 長期的にTOEICのスコアなどを上げていきたい
- 英語そのものを身につけたい(会話中心)
- 英語そのものを身につけたい(総合)
これらについて考えてみます。
1.~ 4. が「短期的」で、5.~ 7. が「長期的」だと言えます。
1. 2. 3. が、どうしてもやらなければならない話。特に 1. 2. は、切羽詰まった感がありますね。3. は、仕事の事情により緊急度は様々。
4. は、「基本とかはいいから、とにかく英会話」ということで、「短期的」の分類に入れてみました。
5. ~ 7. は、「英語の習得には何年もかかることがわかっている」という方々を想定しました。間違っても「半年でペラペラになれる」なんて思っていない方々です。
分類ができたところで、習得方法について考えてみます。
1.~ 4. の短期的なものに加え、5.(長期のTOEIC)も含めた 1. ~ 5. のパターン。これらに対しては、既存の手段がたくさんあると思います。業者・先生・教材・ネットなどによる膨大な情報がある。
既に、世の中の人が散々苦労してきたノウハウがあるので、その中から自分に合ったものを見つけ(見誤らないよう注意!)、あとは実践あるのみですよね。イチ学習者である私が解説できることは、そんなにないと思います。
残ったのが 6. と 7. で、それに 5. (長期のTOEIC)をも含めた 5. ~ 7. のパターン。これらは、自分で目標やペースを決められるパターンですよね。
これらの場合は、よく言われるように「単語」・「文法」・「発音」が基本の能力になると思います。基礎のうちは、誰でもやることはほぼ同じだと思いますが、学習が進んでいくと、「どのように自分の英語能力を伸ばしたいか」で変わってきます。
「英語をやる以上、話すことが大事」と考えるのか、「英語といっても、何も会話だけとは限らない」と考えるのかによって、さらには、「どういう分野のことを英語でやりたいのか」などによって、取り組み方がまったく異なってくると思います。
それと、長期戦を覚悟した場合に陥りやすい注意点があるように思います。
長期戦を覚悟したのに、短期的な場合のやり方(教材とか勉強方法)の情報に惑わされて「やること」がフラフラしてしまう恐れがあると思います。また、「実力が思い知らされるような活動」を必要以上に高頻度で取り組んだりすることも、自信を失ってしまいがちで危険。「実力試し」の活動がモチベーション向上になるならば適度にやれば良いですが、実力をつける本来の勉強があまり進んでいないようなら、あまり高頻度でやるのはどうかな?と思います。
発音についても、考え方により、適切な方法が大きく変わると思います。「短期間で、より通じやすい発音にする」か、「時間をかけて、悪いところを矯正していくか」、「時間をかけて、改めて最初から作り直すか」といったパターンに分けることができます。