最近、私は、「自分の個性を再確認」する意味で、「過去を振り返る」ことが多いです。
そういう目で古い写真データを整理していたら、こんなものを見つけました。見つけたのは現物ではなくて「写真」ですよ。
SONYの「ICR-E2」というラジオです。
FEN(現在のAFN)専用のAMラジオで、周波数は810kHz固定。巻き取り式のイヤホン(片耳)のみで、スイッチは1つのみ(OFF/音量小/音量大)。
私は、学生時代、埼玉県に住んでいました。その頃、英語の勉強のため(今でいう「聞き流し」なんですが)、FENをよく聞いていました。
おそらく、これを買ったのは1985年頃だと思います。
それから30年近く経った2014年、空き家になっていた愛知県の実家を片付けた際に、このラジオともお別れしました。写真は、処分する前に記念として撮影したものです。
写真は全部で3枚ありました。あと2枚を紹介。
イヤホンの巻き取りダイヤル面がこちら。
(左上の光ってしまっていた部分は画像加工してあります)
ちなみに、イヤホンは組付けられてしまっていて、取り外しや交換はできません。
上の写真の裏側には、LEDランプと英文表記がありました。
(左上の光ってしまっていた部分は画像加工してあります)
さて、「自分はこういう物を持っていたんだ」と懐かしく思いながら、再認識したことは、以下2点。
- 「いつでも英語を聴いていよう」と思っていたことがある
- 「単機能」の商品を見つけて「欲しい!」と思った
1. は、英語を勉強している人にとっては普通の感覚ですよね。実際には、勉強の効果は高くなかったのですが、耳が英語に慣れることには役に立ったと思います。今では、積極的に英語を勉強する時以外に「単にかけておく」ということはなくなりました。
2. の「単機能」に魅了されたこと、これが今回強調したい「私らしさ」。
私は、「1台でいろいろなことができる」ものよりも、「単機能」(これだけしかできない)ものの方が圧倒的に好きなのですが、「この時、既にそうだったんだな」と思いました。
おそらく、私が「単機能」に目覚めたのは、1979年に「ウォークマン」が発売された時。大型ラジカセが主流だった頃なので、「最小限の機能以外、すべて取っ払った」という考え方には衝撃を受けました。
しかし、中学生だった私には買うことができず、1982年に発売された「ウォークマンDD」を初めて買い、以後、CD、MDのウォークマンへとつないでいきました。
一方、パソコンなどのIT機器をいろいろ所有するうち、「1台で何でもできるのは便利」という価値観になっていたこともあります。「専用機でやれば良いことを、わざわざパソコンでやっていた」時代もありましたよ。この私でも。
しかし、会社員として「自分から合わせいく」ような感じで無理していた面があったと思います。「混乱していた苦しい時期」から、だんだん「自分に帰っていく」うち、「ポメラ」を代表とするような「単機能」の機器の方が自分に合っている、ということに気づいていったんだと思います。
良い悪いではなく、「肉か魚」か、「パンかごはん」かみたいな話で、どっちでも自由なはず。今は、「ちょっと主流が強すぎ」な気がします。
「単機能のものなんか、もう古い」という価値観、これは本当に私たちの感性から来ているものでしょうか? 社会的に引っ張られた価値観である面もなきにしもあらずです。
私は、何でもデジタル処理してしまって、しかも、その実体がどこにあるのかわからないような状態よりも、物理的な「モノ」が存在した方が「豊か」な感じがして好きですね。