うるさい素人

質を重んじ物事の本質を見抜く! 脱サラして英語発音講師を目指すオヤジのブログ

私にとって電子辞書は必須アイテム

私は、電子辞書を使っています。紙の辞書も併用していますが、電子辞書の方が使用頻度が高いです。毎日使っているものなので、もう必須アイテムと言えます。そこで今回は、使っている電子辞書の紹介と、電子辞書に関する私の考えを書いてみたいと思います。

(現在、電子辞書は新製品がなかなか出ないなど、滞っていて、この先どうなるかわかりません。したがって、オススメ機種の紹介ではありません。)

 

今使っている電子辞書 カシオ XD-SX9800

今使っているのがこれ。カシオの EX-word XD-SX9800(英語モデル)です。2020年2月に発売されたものです。

 

カシオ EX-word XD-SX9800

 

2020年8月に購入したものなので、使い始めて2年を超えたところなのですが、本体の筐体にひび割れ(亀裂)が入ってしまっています。電子辞書を開くとき、右側に指をかけて持ち上げるので、だんだん亀裂がひどくなってきていきます。

 

電子辞書 XD-SX9800 のひび割れ

 

この機種に関する感想などは後述します。

 

かつて使っていた電子辞書 シャープ PW-AT790

もう1台、ものすごく古い電子辞書が手元にあります。2009年発売のもので、もちろん、販売終了しています。シャープの Papyrus PW-AT790 という機種です。

(ちなみに、商品名としては「パピルス」となっていますが、英語では「パ パイラス」と読みます。)

 

シャープ Papyrus PW-AT790

 

この電子辞書、「使っていた」というより「所有していた」という方が近いかも知れないです。

 

今から12年ぐらい前、ある記念品として、リストの中から選んで、いただいたものです。その時は、英語の勉強はしていなかった時期(人生の中で、英語の勉強という概念自体を閉ざしていてた時期)なので、「何かの折にちょっと使う」ぐらいでした。

 

この電子辞書の最大の欠点は、「電池がすぐに切れる」ことでした。

 

電池以外のことでも、現代のものに比べて、さすがに年代を感じます。ただ、本体の筐体は、今使っているカシオの EX-word よりも質感があって良い感じでした。また、収録音声も、今の EX-word よりも良かったんじゃないかという面があります。

 

大昔に持っていた電子辞書

実は、今から40年以上前、高校生の時に、電子辞書の原型といえるものを持っていました。カバーがついてる電卓型のものです。カシオの「電子英和辞典」というものだったと思いますが、調べても自分の記憶とは微妙に違うような気もします。

 

確か、収録単語は5,000語ぐらいで、「英→日」、「日→英」の単語単位での変換を行うようなもの(1対1対応でないと成り立たないようなもの)でした。


今でこそ辞書は必須と考える私ですが、このような私でも、「紙の辞書に反抗的な気持ち」になっていたこともあるんですよ。その後、大学生まで、「辞書不要論」の立場でした。

 

現在の電子辞書(XD-SX9800)について

現在使っている電子辞書 XD-SX9800 について、よく使う内蔵辞書を2つ、長所・短所を1つずつ挙げてみたいと思います。

 

よく使う辞書(1)「新英和大辞典」

研究社の「新英和大辞典 第6版」というものが収録されています。高価な辞書のせいか、プロフェッショナルモデル XD-SX20000 と英語モデル XD-SX9800 にしか収録されていません。以前のモデルでも、XD-Z20000 と XD-Z9800 にしか収録されていませんでした。

 

この「新英和大辞典」の何が良いかといと、発音記号に「ダークL」の表示があることです。ほとんどの辞書では、「ダークL」になる音も /l/ で表記されていますが、この辞書では、/ł/ で表記されています。「どういうときにダークLになるか」という規則で考える必要がなくなります(やっているうちに感覚的にわかるようになりますけどね)。

 

また、/ə/ と /ı/ のどちらでも発音されることがある音について、この2つの発音記号の合成文字で表記されています。上の段が /ı/ で下の段が /ə/ という、2階建てのような独自の記号で表記されているのです。よく、「ある教材では /ə/ と表記されているのに、ある教材でや /ı/ と表記されている」ということがありますが、そういう音が、この独自記号で表記されているので、戸惑うことがなくなります。これは、私にとってはとても役に立っています。

 

もう1点、「アクセント移動」(おもに形容詞において、後ろに続く単語により、前の単語のアクセントが前方へ移動する現象)が起こり得る単語について、発音記号に「←」が付加されています。

 

この「新英和大辞典」、発音記号に関するこの3点だけでも、私にとっては価値があるものです。

 

欠点もあります。大辞典というだけあって、1つの単語について多くの記述があります。そのためか、「用例」や「解説」は別になっていて、ボタンを押してジャンプするしくみになっています。例文を確認するためには、相当回数、ボタンを押して、行ったり来たりする必要があるので、そういう学習をするのなら、最初から冊子体(馬鹿でかいと思いますが)を使った方が、最初に単語を引く時が大変なだけなので、結局、効率的ではないかという気がします。

 

よく使う辞書(2)「ジーニアス英和辞典」

私は、「ジーニアス英和辞典」(大辞典ではない方)を「加算名詞」「不可算名詞」の確認用に使っています。


私の見方が悪いのか、他の辞書では、「加算名詞」「不可算名詞」の表記がないものが多いんですよね。私は、この電子辞書に収録されている「ジーニアス英和辞典 第5版」と、紙の辞書「グランドセンチュリー英和辞典 第4版」の2つの辞書で「加算名詞」「不可算名詞」を確認しています。


この電子辞書に収録されている多数の辞書のうち、「学習用の辞書」としては、この「ジーニアス英和辞典」が適しているように思います。例文がたくさんあってわかりやすい感じです。「新英和大辞典」とは異なり、例文はボタンを押さなくても普通に記述されているので、眺めているだけでも例文が目に飛び込んできます。ただ、そのため、1つの単語の全体像を確認するためには、かなり下までスクロールする必要がある場合があります。


この電子辞書の長所「聞き比べ機能が便利」

カシオの電子辞書では、一定時期から後の機種なら、たいてい付いているんじゃないかと思います。


この「聞き比べ」機能が付いている電子辞書を持っている人がいたら、「使わなきゃ損」という感じです。

 

どういうものかというと、収録されている音声と自分の音声を聞き比べることができるものです。ボイスレコーダーなどで録音して再生するよりも、気楽な感じで操作して聞き比べることができます。


私は、この機能を応用して、簡易ボイスレコーダー代わりに使っています。1分間録音できるので、1つの単語だけでなく文章でも録音して(聞き比べではありませんが)自分で確認できるのです。ダミーの単語を発音させて、それとは無関係に、任意の発音をして、自分の発音を確認するのです。保存はされないので、その場限りですが、何度も繰り返し確認しながら練習するには気楽で良いです。


「自分の発音を録音して聞くこと」には抵抗感がある方が多いと思いますが、これならやりやすい(やり始めのきっかけにしやすい)と思います。

 

この電子辞書の短所「収録音声が微妙」

正直、ちょっと音質が悪いです。おそらく、音声データ量を節約するために圧縮しすぎなのだと思います。外部スピーカーやヘッドフォンを工夫してみると聞きやすくなります。

 

辞書というと「完璧に編集されているもの」という印象があるかも知れませんが、電子辞書だと、データ移行の際のトラブルか、誤植が時々あります。完全なものではありません。それと同じで、収録音声にも「あれ?」というものがまれにあります。

 

メインのナレーターの方、人気のナレーターさんのようで、お人柄がにじみ出るような柔らかい好印象の発音をされます。ただ、それゆえ、「アメリカ英語を1単語ずつ明瞭に発音する教育用のお手本」とするには、微妙に癖を感じるところがあります。

 

単語によっては、別のナレーターさんの音声であったり、特殊な単語については人工音声のものが入っていたりします。大量の音声データがあるので、制作側の苦労は感じますが、全体を通じて、「収録音声の質に対しては、もう少しこだわって欲しかったな」というのが正直な感想です。

 

そもそも、英語の発音には「これが標準」と言えるものがないので、電子辞書に吹き込まれている1つの音声だけを正しいものと考えない方が良いと思います。

 

電子辞書の意義

今や、ネット上の辞書や、スマホやタブレットのアプリがあるので、「電子辞書という存在そのもの」について「時代遅れ」という方がいらっしゃいます。人それぞれですけど、毎日、一定時間以上、年単位で使っている場合、専用機の方がやりやすい面がいろいろ出てくるはずです。

 

私としては、専用機であること自体がとても重要なことなのです。英語の勉強中は、常に傍らにある状態です。右側にセットしてあって、「ん?」と思った時にはすぐに手が行きます。誰でも知っているような単語でも、しょっちゅう確認します。1日に何度引いているかわかりません。「知らない単語を調べる時だけ使う」というものではないのです。

 

専用機であることと同時に重要なのが、機械式のボタンで操作できること。勉強中って、少し乱雑に操作することがあるので、画面に触れる操作だと「注意深く操作すること」に意識が行ってしまって集中力に影響が出る気がします。

 

なお、電子辞書には、「学習教材などの様々なコンテンツ」が入っていますが、「気に入ったものが1つ2つあれば良い」ぐらいではないでしょうか。「せっかく収録されているのだから使わないともったいない」などと考える必要はないと思います。

 

電子辞書の今後は不透明

今の時代、スマホやタブレットの性能を考えると、電子辞書だってメーカーが本気で開発すれば、もっと薄くて軽いものができるはずです。しかしコンテンツにコストがかかるせいか、ハードにはコストがかけられない事情があるのかも知れませんね。さらに、時代の流れですかね、こういうモノに対する価値が認められにくくなってしまったようで、本気で開発されている感じがしませんね。


さらに、このご時世の事情で、このような機器の開発や生産が滞ってしまっているみたいですね。


カシオの EX-word も、2021年、2022年と2年連続で、ハードウェアとしては新製品が出ていません。今年2022年2月に、従来ハードに新しいコンテンツを入れた高校生モデルが出ているだけです(その後、2022年7月に「小学生から長く使える限定モデル」というのも出ているようですが)。

 

カシオが今後も電子辞書に力を入れていくのなら、私の勝手な想像ですが、「ハードウェアの機種数を減らしてコンテンツをソフトウェア化する方向」を模索するんじゃないかと思います。また、Wi-Fiなど「つながる」機能の拡充も。でも、「それだったら、スマホやタブレットに入れる辞書アプリと同じになるんじゃない?」なんていう議論になりそう。もし仮にそうだとしたら、IT技術とマーケティング視点に偏った議論。「“電子辞書の方が良い” という英語学習者が、なぜ “それが良い” と言っているのか」学習者視点に立って企画されていることを望みます。

 

一方、シャープの電子辞書は新しい機種が出ているようですが、私のような、「年齢が上で、じっくり英語を勉強をする」タイプの人とは志向がちょっと違うような気がして、よく調べていません。


この先、電子辞書というものがどうなるか、わかりません。仮に、今までの流れが一旦お休みになったとしても、いずれ、「進化した電子辞書専用機」が出て欲しいものです。


まとめ

私にとっては、やはり電子辞書は必須アイテムです。でも、今のご時世、何とも言えないところがあって、オススメとは言い切れないところがあります。ここまで読んでくださった方に対し、言えることは以下ぐらいです。

  • カシオのEX-word(比較的最近のもの)を持っている方は「聞き比べ」機能の活用をおすすめ。
  • カシオのEX-wordのプロフェッショナルモデル(XD-SX20000、XD-Z20000)か英語モデル(XD-SX9800、XD-Z9800)を持っている方は、「新英和大辞典」の活用をおすすめ。
  • 今(2022年10月現在)、電子辞書の購入に関して迷っている方に対しては、急がないのなら、2023年のカシオの動向を見た上で、両社とも新製品が出るのなら、両社の幅広い選択肢から検討した方が良いと思います。逆に早く欲しいとか、安く手に入れたい、という場合は、現行モデルを安く手に入れるというのもアリかも知れません。

最後に、今後、再び「電子辞書というジャンル自体」に日の目が当たるといいなと思っています。