うるさい素人

質を重んじ物事の本質を見抜く! 脱サラして英語発音講師を目指すオヤジのブログ

残念だった選挙結果を前向きに捉える

昨日、愛知県知事選挙がありましたが、大変残念な結果に終わってしまいました。現実問題、知名度が高くない候補者が複数並んでいる状態で、その中の誰かが当選するということは極めて難しいことだとはわかってはいたのですが(がっぷり四つの対抗馬が1人であっても難しいと思う)、それにしても票に差がつき過ぎました。

 

この件で、昨夜の速報を聞いてから気分が落ちていて、一時は、何も手が付かない状況でした。

 

別に政治活動とかやっている訳ではないんですが、私は今の日本の状況を非常に憂いているので、今回の選挙は「世論の流れを変えていく突破口になるかも」と思って期待していたのです。愛知県の県政の問題ではなく、日本の問題として、全国的にも注目が集まっていると感じていました。

 

なので、今回の新人候補者の誰かが当選しなかったとしても、票の数字によって「今の状況にNO!を突き付ける」ことが極めて重要だと思っていたのです。

 

それが、「現状オッケー、今のまま継続して頑張ってね」というメッセージを送ってしまったことになる訳ですから、「愛知県民は何をやっているのか」と言いたくなる気持ちもわかります。

 

それにしても、得票数が納得いかなくて、いろいろ考えてみました。

 

私は、日本という国を守ろうという意味において、現状が極めて心配な状況であると思っています。しかし、そういう危機感を持っている人がどれぐらいの比率で存在するかというと、肌感覚では100人に1人もいない気がするんですよね。

 

その比率を前提にすれば、今回の選挙結果は、まあそれなりに私たちのような危機感を持つ人の意見が反映されたものだったように思えます。

 

昨年夏の参議院選挙で、日本を守ろうという主張をした参政党が、選挙区で201万票余りを獲得しました。有権者数 1億501万人を分母にすると、1.92%の票を集めたことになります。比例代表のことをどう扱ったら良いのかわかんないんですが、ざっくり、2%ほどの支持を得ているというイメージです。

 

100人に2人ということは、私の肌感覚(100人に1人)よりも多くの人が、危機感を感じていたんだと言えます。

 

この、「有権者の2%が危機感を持っている」という比率を今回の愛知県知事選挙に当てはめてみます。

 

今回の当日有権者数は、6,056,200人。その2%にあたる人数を計算すると、121,124人ということになります。

 

今回の選挙で、「日本という国を守るんだ」という考え方を強く主張していた山下氏と末永氏の得票数が、それぞれ123,940票と130,374票なので、意外にも、2%を少し上回っているんですよね。

 

他の候補者も頑張っておられたけど、この2人だけでも、夏の参議院選挙における参政党みたいな人が2人現れたことになります(主張が同じという意味ではありません、このような旋風を巻き起こしたという意味です、念のため)。

 

今回の投票率は、36.43%と低く、県民としてお恥ずかしい限りですが、それでも、前回よりは上回っています。速報の段階では、「前回より下回る」という報道が、やや批判的な感じで流れていて非常に嫌な気分を味わったのですが、一応はプラスです。

 

つまり、危機感を持つ有権者は、それなりの行動をとっていると思うんですよ。今の世論の比率からすると、「まあ、これぐらいが良いところかな」ぐらいなのかも知れません。

 

ところで、愛知県内の雰囲気について、少し書きたいと思います。

 

今回、街頭演説での出来事がネットで流れたりしていましたが、あのような騒ぎがあったこと自体、一般にはほとんど知られていないと思います。意識の高い人が、そういう情報をウォッチしているから全国的に知られているのであって、普通に住んでいるだけなら、あのような情報は何も入ってきません。

 

「この選挙が全国的にも注目されている」なんていう意識の人は、極めて少なかったと思います。

 

名古屋の繁華街での街頭演説の様子が流れていたようですけど、あれは、愛知県の中でもピンポイントの場所の話であって、あれが愛知県全体の雰囲気を代表している訳ではありません。

 

私は、そこそこの人口の町にいますけど、大村氏の街宣カーの声が、けたたましい音で聞こえてきただけで、他の候補者がどんな人か、自分で調べないとまったくわからない状況でした(今思えば、政見放送があったんですが)。

 

ネットで調べようにも、公式っぽい情報はあるものの、否定的な怪しい情報もいっぱい出てきました。普通の人ならうんざりしてしまって、客観的な情報にはなかなか行き当たらないように思います。私のような「怪しい情報を掻い潜って、なんとか真実を調べようと躍起になるタイプ」の人が想像力を働かせてようやく知れるぐらい。

 

ネットが使えるならまだいい。愛知県下には、そんなこととは無縁な、「テレビと新聞による情報がすべて」という、おじいちゃんおばあちゃんたちがいっぱいいるんです。

 

選挙後のネットニュース記事(毎日新聞)によると、大村氏は、愛知県内を分単位のスケジュールでくまなく回ったとのこと。私の想像では、1箇所回って何万票、また1箇所回って何万票と固めていったものと思われれます。知名度のある本人が現れて握手でもしようものなら、入れることになると思いますよ。各候補も県内を回ったと思いますが、大村氏のようなことは、相当な組織のバックアップがないと、とてもできることではないと思います。

 

もちろん、組織票の問題もあります。私も会社員時代はいろいろありました。今はどうだかわかりませんが、それなりの影響はあったと思います。

 

まとめますと、今回の結果は、「当落の結果だけ見て、あるいは数字だけ見て、落胆したり批判したりする」ようなものではなく、「強大なパワーを持つ現職を相手に、信念を貫こうとする候補者が頑張った」ということで、「改革を求める候補者も有権者も “善戦した”」と捉えた方が前向きだと思います。

 

私自身は、速報を聞いた時、「日本の将来が真っ暗」みたいな感じで気分が落ちてしまっていましたが、数字を計算した結果、「少しずつでも変えようという気運が高まっているんだ」と感じ、少し落ち着くことができました。