最近、世の中の情報に関して気になっている傾向があります。
今までなかったような新しい話題が出てくると、ユーチューバーさんなどに対して、「最近、ナニナニだという話題が出ていますが(ナニナニだと言う人がいますが)、それについてどう思いますか?」みたいな質問をする人が現れる。
それに応えて、ユーチューバーさんが自分の考えを述べる。その場合、「賛成か反対か」「右か左か」の結論をハッキリと言っていることが多いように思います。
すると、コメント欄に意見がワーッと集まる。意見が分かれる。「賛成か反対か」、「右か左か」で意見が割れる訳ですが、その話題の本質を掘り下げることはあまりなく、皆さん、ご自身の知識を根拠に「自分はどちら」という主張をする。
時々、意識ある人が、「人によって違うと思います」とか、「そもそも、その話を主張された方は、コレコレこういう意味で言われたはずだと思います」とか、軌道修正しようとするけど、あまり効果がない。
結局、何万といるフォロワーのうち、それなりの割合の人がユーチューバーさんの意見に左右される。
YouTube以外でも、ニュースやそれに類する情報において、アンケート結果が発表されたりする(アンケートが行われていることも知らなかったのに)。自分が思った通りの結果だと「やっぱり」だと思うし、自分が思ったのとは異なる結果だと「え?そうなのかな?」と思って、「そちら側の考えの方が良いのかなぁ」なんて思ったりする。
つまり、自分で結論を出すことをせず、「人の意見により、“自分もそっちにしよう” とする」意識が働いてしまう人が少なからずいるんですよね。
それだと何が問題かというと、世論を意図的にコントロールすることができてしまうんですよ。現実、そういうことが行われているのかどうかは知りません。ただ、世論を操作したい人がいたとしたら、YouTubeチャンネルやアンケートなどに、何らかの形で関与して、影響を与えることができてしまうと思うのです。
多くの日本人が、自分で考えることをしなくなってしまった。自分で努力して、調べて、知識を得て、考えて、迷って、自分なりの答えを出すということをしなくなってしまった。まあこれは、本人が悪いというよりも社会が悪いんだと思いますけどね。
そして、いざ、自分の意見を持って決断しないといけない場面になっても、自分では答えが出せない。
だから、原理、本質、理念、しくみ・・・そういうことはどうでもいいから、とにかく答えが欲しい、ということになってしまうんだと思います。
最近、いくつか、これに当てはまりそうな事例を見て、これは危険だという気がして、すごく気になっていたので、伝わるかどうかわからないんだけど、書いてみました。