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英語発音雑記(4) /æ/ の音は長期戦でじっくり

この雑記では、英語発音に関する私自身の回想や考えなどを「独り言」感覚で綴ります。発音方法を解説することは意図していませんのでご了承ください。

 

「apple」、「Japan」といった単語に入っている /æ/ の音。アメリカ英語らしい音で、比較的早い段階で習うことが多いと思う。


それらしい音を出すのは比較的早くできると思う。「通じれば良い」というレベルを目指すなら、そう難しくはないはずの音。


しかし、「いかにもアメリカン」という /æ/ の音を出すのには、相当時間がかる。日本語にはない筋肉の使い方をするので、見た目にはわからないかも知れないが、スポーツならば「体つきが変わる」ほどの変化が必要。年単位で少しずつ慣らしていく必要がある。急にやろうとすると、変な音になってしまったり、身体を傷めてしまったりする恐れがある。絶対に無理してはならない。

 

日本人に向いた「口を大きく開けない手法」を使っている先生もいるようだが、僕は、可能なら、ダイナミックに大きく口を開けるようにした方が良いと思う。

 

/æ/ の音は、言ってみれば「派手な音」で、この発音をするとすごく目立つ。だから恥ずかしがって、十分な音が出せないということもあるだろう。というか、日本人なら、ほぼ、ほとんどの人がそうではないだろうか。

 

では、「恥ずかしくないから、思いっきり /æ/ の音を発音してみましょう」と言ったとしても、そこで出せる音は、まだまだ。まだまだまだまだ全然足らない。それぐらい違うものなのだ。


とはいえ、すぐにゴールを目指すのは無謀、というか危険。柔軟性と筋力が必要なスポーツに取り組むぐらいの感覚で、少しずつやっていくしかない。

 

僕だって、これまでに何万回練習したかわからないけど、いまだに調整している。「とっさに出る音」って、どうしても弱くなってしまうし、ネイティブの音にもかなり幅があって、真似ているとキリがなくなってしまうものなのだ。

 

僕たち日本人が、頑張って /æ/ の音を発音しようとすると、どうしても「妙に緊張した音」「わざとらしい発音」になってしまうが、仕方がないこと。あちこちの筋肉が緊張してしまうからだろう。

 

それでも、口を大きく動かした発音に慣れてくれば、やや口を小さめにして発音した際には、この「妙に緊張した音」というのは和らぐと思う。

 

僕は、この音を練習する時は、口(唇という意味ではなく口の中も含めた全体)を大きく開けるのが良いと思う。特に横方向。縦方向にも、アゴを少し落として開く必要がある(そうしないと /ε/ との区別ができなくなる)のだが、横方向にも、かなり引っ張るような感じにした方が良いと思う(これは、/i:/、/ε/ でも共通)。

 

なぜならば、この音を出すとき「舌が横に広がる」ようになるからだ。たぶん、日本語ではそのような形にはならない。


舌を平べったく横に広げられると良いが、そんなことは意識してできるものではない。なので、口の動きを大きくすることにより、それにつられて舌が広がるようになるのだと思う。僕がどうやってできるようになったのかは覚えていないけど、たぶん、そうしてきたのだと思う。


そして、舌の形ができるようになれば、口(唇まわり)をすぼめても、この音が出せるようになる。口をすぼめていても、口の中では、舌は広くデンと構えているような感じだ。

 

さて、「口の中における舌の形」について、言葉で表現してみる。「大きな平べったい板が斜めになっている」ような感じ。「幅の広い斜面」。今の人にはわからないかも知れないけど「スキーの初心者用ゲレンデ」みたいな感じ。口の奥の方は、高くなっていて、前の方は、下の前歯の裏側にちょうどはまり込んで当たるぐらい。


おそらく、この形によって、奥の方の狭い部分で高い音の成分が、前の方の広い空間で、普通の「ア」に近い音の成分が、同時に出ているのだと思う。そのような両方による響きが混じって、独特の響きになっているのだと思う。

 

この音、ネイティブでもかなりの幅があるし、同じ人でも、単語や状況でかなり変わると思う。ちょっと「派手めの音」、「下品なぐらいの音」を練習しておいても損ではないと思う。とっさに発音する際は、どうせ弱まってしまうものなので。

 

ところで、この音と「鼻音」との組み合わせで、/æn/、/æm/、/æŋ/ になった場合、/æ/ の音が変化する傾向がある。/n/ 、/m/ の前に /ə/ のような音が入ったり、/ŋ/ の前に /eı/ のような音が入ったりして、鼻音につなぐような感じになるのだ。しかし、僕は、こういうことは後回しで良いと思う。変化球よりもまずは直球から。安定した音を出せる基本が大事だと思う。

 

ということで、この /æ/ の音は、近い音なら容易だが本格的には難しい音。近い音は誰にでも出せるはずなのだが、現実的に出せない人が多いのは、発音技術とは別のところに原因があるような気がする。

 

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